アシモフだったかクラークだったか忘れたが、地球にこれまで生を受けた人間の数と宇宙に存在する星の数がだいたい一緒だと言っていたのを思い出す。私にもひとつもらえるかな、と考える。どんな星がいいだろうか。どんな社会をつくろうか。
たった今、原稿は出来たかとせかしに来た若手社員に、あんたはどんな星がいいさ、と聞いてみる。若い星と答えた。このやろう。
そこへ川田取締役。
「おれは太陽系以外は関心ないわけ。オリオン座の星一個くれるって言われても何もできないから困りますよね。月にしようかな。重力が弱いのを利用してさ、地球では出来ない強度の合金をつくって合金王。っえ、衛星は入らないの?」
もう一人やってきた。これまで生まれた人間と星の数が同じだって言うけどひとつ欲しくないか、と言う私に、「どこからが人間ですか?アウストラロピテクスも入れてますか」と冷たい視線。忙しそうだ。
社員の数だけ個性があって夢がある。それぞれの個性と夢が集まって、またきっと離れて行く。46億年の地球の歴史の中でDeNAの歴史はまだたったの数年だ。これからこの会社がどんなに長生きしようとも、地球や宇宙の時間のなかではほんの瞬間の存在になる。けれどもなにか宇宙に引っ掻きキズみたいな証を残したい。私たちの大きな夢とてんでバラバラの個性で、DeNAが生まれる前とその後では、きっと違う時代になる。
株式会社ディー・エヌ・エー
代表取締役社長 南場 智子
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