株式会社ディー・エヌ・エー エンジニア特集

DeNA RECRUITING

エンジニア特集


エンジニアインタビュー


“人もシステムも錆びつかせないこと”
エンジニアを統括しながら DeNA のマインドを見てきた 10 年間
システム統括本部 本部長
稲村 直穂子
電機メーカーの研究所から SI 企業という、エンジニアとしてメインストリートのキャリアを歩んできた。設立 1 年目の DeNA に参加したしたのが 2000 年 3 月。そのとき社員番号は 20 番だった。
ビッダーズのカスタマーサポートのリード、モバオクでカスタマーサポートチームの立ち上げ、そしてモバイル系エンジニアのマネージャーから全社エンジニアの統括本部長になり、丸 10 年が経った。現在の思いを訊いた。

キチンとしているベンチャー


  前職は SIer でした。システム開発が大好きで、ニーズを汲み取って、システムを提案して、受注して、開発して、納品するって仕事は面白かったのですが、30 歳を越して「これは一生自分が続ける仕事なのか?」と迷いはじめた時期だったんですね。積極的に転職先を探すほどではなかったのですが、自分の生活スタイルを見直そうとはしてました。
  ちょうどその頃メーリングリストに、南場( DeNA 代表取締役社長)が「こんなサービス始めました」というメールを流したのです。実は私も南場も津田塾の卒業生で、結構前から細く長く続いている津田塾 OG のメーリングリストがあり、そこにポッと「起業しました。一緒に仕事してくれる人いませんか?」と。
  当時、女性が IT 業界で起業したことに驚きながらも、それが自分の大学の先輩だったのでとても親近感を持ちました。すぐにサイトにアクセスし、生まれたてのビッダーズを目の当たりにした時のことをよく覚えています。
  システム屋なので、ソースを表示したり、URL から想像したり、一通り使いながら「どんな風に作ってるのかな」「Java で商用サイトもう出しているんだ」と興味津々。中でも印象に残ったのは、規約だとか、会員登録のフローがすごくちゃんとしていたこと。
  国内でインターネットサービスが盛り上がり出す初期の頃で、どのようなコンシューマー向けサイトが出てきているのか半信半疑でいましたが、ものすごくちゃんとしていて運営しているひとの「キチンと感」がにじみ出てくるようなサイトだったんです。
  それでキチッとした人たちがやろうとしているんだなというのがわかって、そのメールに「ちょっと興味あります」と反応したのが、2000 年のほんとうに頭です。

カスタマーサポート専任からエンジニアのトップに


  入社したのはビッダーズが始まって 4 ヶ月目、毎日毎日サービスを大きくしようとしているところでした。
  当時の DeNA は、渋谷の NHK のウラ、神山町の雑居ビルにありました。脚がペコっと折れ曲がる会議卓を机に、パイプ椅子。個人情報を扱うのでカスタマーサポートだけはベニヤ板で作ったようなパーティションで仕切り、運営を開始していました。
  まだまだ規模も小さいから、とにかく受け入れてもらえるサービスにしようと必死でした。楽しかったですよ、狭かったけれど。会議コーナーも 1 箇所しかなかったので、バッティングしたら近くの空いている喫茶店に行ったり、渋谷の文化村に向かう遊歩道に公園があって、そこでブランコに乗りながら真剣に相談事をしたこともありました。
  生活のパターンを変えようと転職したので、システム開発ではなくカスタマーサポート専任として入り、モバオク立ち上げまでの 5 年間、お客様対応、オークションの場の安全性を高めていく仕事をしていました。お客様との連絡は基本的にメールですが、たまに電話があるとだいたい怒り心頭。来社されることがあると怒り絶頂。そういう修羅場は一通りくぐってきましたね(笑)。
   2004 年にモバオクのカスタマーサポートをゼロベースで立ち上げることになり、サービス運用の要件を決めたりテストを担当していましたが、サービスが成長するにつれ手が足らなくなり、気がつけば自分も腕をまくって開発作業に没頭していました。自分のたたいたコードが直ぐそばからユーザに利用されていくのは嬉しかったですね。
  そのあと、モバオク開発の中心だった川崎がモバゲータウンの開発に移っていったので、モバイル系エンジニアのリーダーを担うようになり、 2007 年からは全社のエンジニアを見ています。 2008 年にはビッダーズ系システムとモバイル系システムの組織を統合してシステム部にエンジニアを集結、その部長をしています。

エンジニアのパワーを最大化するには


  現在のミッションは、エンジニアのパワーを最大化することです。システムの安定稼動や品質に対しても責任を負っていますが、一方ではむしろ人事に近かったりしますね。エンジニアは正社員だけでも約 100 人いて、よりよいアサインメントや、何を目標にしてもらうかを考えてます。
  最近はなかなか難しくなってきましたが、全員が今何をやってて、どんなキャリアを形成したいと考えていて、どこに強みがあって、どういうところに悩みがちであるか、全体を掌握したいと考えています。
  なぜかと言うと、DeNA はものすごく変化を遂げていく組織で、意思決定が速いんです。事業的に「やる」と決めたら、そこにワッと人を寄せて部隊を作って進めていく、その代わりにこっちは一時シュリンクさせる。例えば、今ならソーシャルゲームやオープン化にリソースを大量に割かないといけない。
  そういうときに、この人だったらこれをやってもらった方がいい、事業プランにとってもよい、最適布陣はこれなんだということを、誰かしっかりグリップしていることが重要です。そこを自分が担わせてもらっています。
  もちろんただ向いている仕事だけをさせればよいというものでもなくて、1 つは会社として「今こういうものを作っていくべきだ」と意思決定したことを、みんなも「そうだ、うちの会社は今これをやらないといけないね」と納得できること。もう1つは、エンジニア本人が「自分はこう動くべきだ」と考えて、個々のマインドやスキルを高めてもらうこと、この 2 つが大前提ですね。これが掛け合わされないと上手くいかない。

身の丈よりちょっと大きな仕事にチャレンジさせる


  これまでモバイル系の事業が成長して増員が必要だったために、新規サービスの立ち上げがあるたびにエンジニアを動かしてきましたが、DeNA ではそういうときに大黒柱を引き抜くんです。
  そうすることで、大黒柱には新しい事業を立ち上げるという次のチャレンジがあるし、抜かれ方も頑張らなくちゃいけない。どちらのエンジニアも成長するんです。
  残った人は大黒柱に代わり事業を支えようと視線が一段高くなるし、担当範囲もこれまでと違う仕事を 1 つや 2 つ加えて見ていかないと絶対に回らない。最初は想像すらできなくて「自分がやるんですか?」と戸惑うメンバーも当然いますが、やってみると実は出来ちゃったりするんですよね。
  もちろん周りのフォローだとか、どうしても足りないところには誰か一時入ってもらうといったスタートアップ期間はありますが、たいていみんな死に物狂いで考え出す、なんとか新しい裁量に応えようと工夫し続ける。だから自分はほんの少し背中を押すだけです。
  一時的にきついかもしれないですが、そうすることで着実に次の自信につながっていきます。その循環が面白いですよ。だいたい「チャレンジして良かった」と言ってくれるし、人も変わります。変化を怖がらなくなります。気持が切り替えられて自ら動き出したときには、明らかにわかります。
  その良循環で、ここまで来てる。それが DeNA なんです。それはエンジニアだけじゃなくて、企画も営業もそうやってきてるし、若い人も、中途で入ってきた 30 代 40 代も同じです。それが DeNA のマインドなので。
  少人数のチームで、自分たちの身の丈よりちょっと大きな仕事にチャレンジするという意味では、私が入社した頃から変わってないのかもしれないですね。

変化に強い組織と人を創ることがミッション


  プログラミングでもそうですね。モバオクやモバゲーの開発は、一回書いたコードを捨てて、まるっと書き直したりします。これができるのはすごいことで、誇りだと思っています。
  まず、手が早くないと書き直せない。なおかつ、自分の書いたものを「これは違う」と否定して、もっといいものを作らなきゃいけない、あるいは作れるという考えがあるから書き直せるわけじゃないですか。それをやってのけるエンジニアが大勢います。
  自分も SIer にいたのでわかりますが、普通はすでに動いているシステムには手を入れたくないという気持ちがあります。もしくは、そういう意思決定がされたりする。
  でも DeNA のような IT 企業は、事業を賄っている Web システムに手を入れられなくなる=錆びついてしまったらおしまいなんですよね。そうそう成長にドライブをかけられなくなる。それは絶対あってはならないことなんです。可変的なプログラムに対応できることはとても重要です。
  そういう変化に強い組織であるために、人を創るということが自分のミッションであると思っています。
  今後は、エンジニアをもっと増やします。ソーシャルゲームでは 1 人のエンジニアと 1 人の企画者で 1 本を作り上げますが、まさにそれが体現していているように、エンジニアの数だけ事業が立ち上がるという発想がすごく強いんです。
  今年は倍の体制にすることを考えてますし、3 年後にはエンジニア人口を全社員の 50 %にして、高い機動力でサービスに取り組んでいけるようにしたい。私も、DeNA を成長させ続けるために、強いリーダーであり続けたいと考えています。