株式会社ディー・エヌ・エー エンジニア特集

DeNA RECRUITING

エンジニア特集


エンジニアインタビュー


“これからは、もうずっとDeNAのターン”
モバゲータウンのオープン化、社内ナレッジ共有、対外活動の3つの顔を鼎立
ソーシャルメディア事業本部プラットフォーム統括部
システムグループ
山口 徹
サイボウズ・ラボというIT技術研究組織からDeNAに転職。OpenIDなどサービス連携・認証技術の専門家であり、JPA(日本Perl協会)の理事も務め、Perl技術者のコミュニティを中心にZIGOROuのハンドルネームでも知られる。
研究職を離れ、モバゲータウンという国内最大級の実サービスに関わってから約1年。モバゲーのオープン化を達成し、社内ナレッジの底上げに努め、技術情報の対外的なアウトプットにも尽力している。

Webでのサービス開発を求めて転職


  御存知の通りサイボウズ・ラボは日本でもトップクラスのハッカーが集まる会社で、技術的な満足度は高く研究も非常に楽しかったんですが、いかんせんラボ発のウェブサービスは新しい技術や仮説が先にあり、その試験環境的な意味合いが強く、ビジネス的に当った事が無いんですね。
  元々Web屋であると言うのもあり、せめて1個くらいはメジャーにしたかったので、Pathtraq(外部リンク)ってサービスでいろいろ施策を打って新しい機能も追加してたんですが、なかなかゼロから当てるのって難しいんですよね。サービスもちょっとニッチなので、大衆受けはしない。PVは10倍くらいになったのですが、ぜんぜんお金になるようなレベルじゃない。そこに限界を感じていたところがひとつ。
  もうひとつは、ラボにいると必然的にプレゼンする機会が多くなるので、自分の名前はさんざん売れたのですが、だんだん違和感も出てきて、「ZIGOROuさんっていろんなところで見かけるけど、何やった人なの?」って言われるのもシャクだし、そうではなくて自分の作ったものが先に有名になって「中のひとはZIGOROuさんなんですよ」となったほうがいいだろう。そういう気持ちが相まって、転職を考えたんです。
  そのときサービス連携、OpenIDとかをやってたんで、そういう認証基盤を入れることでメリットがあって、まだ手付かずのところに行きたい。いくつか候補があった中では、DeNAがいちばん面白そうだなと思ったんです。持っているパーツ(サービス)が、ECもあればオークションもあって、ペイジェントっていう決済サービス自体も持ってるし、モバゲーという大きな母体もある。これにもし認証基盤やサービス連携基盤を適用できたらけっこう面白いと考えて、入社を決めました。たまたまですが2009年1月1日入社です。

数少ないモバイル版OpenSocialの実装例


  モバゲーのオープン化で採用したOpenSocialは、PC版の実装しかないと言い切ってもいいとおもいます。基本はGadget XMLのレンダリングと、JavaScript APIなんですね。その2つをカバーする「Shindig(外部リンク)」ってコンテナがあって、ほとんどの事例がそれを使ってる。
  モバイルの場合はその枠組からぜんぜん外れていて、まずJavaScriptなんてほとんどの端末で動かないので、前段にガジェットサーバーというproxyみたいなものを立てる。これは木村の担当だったんですが、OpenSocialの本当のスペックとはぜんぜん別物ですね。日本でしか通用しない、ガラパゴス仕様です。
  ぼくはAPI担当で、APIのほうではRESTful APIを用意するんですが、OpenSocialのRESTful APIって世間では本来あんまり需要がないんですよ。そのころ提供してたのはmixiとMySpaceくらいだとおもいます。当然その実装例も参考にしつつ、スペック(仕様書)を読みながら実装していくんですけど、スペックが非常に曖昧なんです。
  それこそサンプルがすでに間違えてる。全部で何件ありますよ、と言っといて、そこに載ってる実際のデータが1件しかない。そういう例が載ってて「おいおい」っていう、もう語るに落ちるレベルなんですよ。それをどう読み取ればいいのかわからないので、mixiにせよMySpaceにせよ思い思いに実装してる。その中から妥当そうなものを出すしかない。そこが悩みどころでした。

フィード、そして大規模トラフィックの実感


  もうひとつ担当したのはフィードですね。OpenSocialにはアクティビティって仕様があって、誰がどのゲームで何したとかって情報がTwitterみたいにダーッと流れてくるんです。この仕組みは「怪盗ロワイヤル」とかの内製ソーシャルも利用するので、1月末のオープン化に先駆けて、12月頭には本番展開してたんです。だからこちらを保守しながら、APIもオンタイムで開発しなくてはいけないくて、それはけっこうたいへんでした。
  ここでぼくも「怪盗ロワイヤル」のトラフィックのすごさを実感したんです。やっぱり配信数が凄まじい。なおかつ書き込みもものすごい頻度で来るので、一回作っても「怪盗ロワイヤル」がなんか新しい企画を投下すると、ズゴーンと落ちたりして、そのたびに直して、直して直して、今の形に落ち着いたんですけど、なかなか面白かったですね。たいへんだったですけど。そのおかげか今は非常に落ち着いてます。ほとんど問題が起きない。
  こんなに集中してものすごいトラフィックを体験することって、なかなかないと思うんですよ。しかも実サービスで。そういう意味で非常にラッキーでした。自分もいちおう大規模には興味があって、ずっと勉強してきたし、規模感もある程度はわかってたけど、理論や想像だけじゃなくて、実際に投入してはじめてわかることもけっこうあるなあと。
  たとえば、いざこういう大規模なところに投入する際には、ホントにケチケチでプログラミングすべきですね。富豪的な、無駄なコードはなるたけ書かない。そうったことがより実感できました。なので書き直したいところもけっこうあるんです。若干富豪的になっている部分もあって、もっとケチケチできたなあみたいな。

DeNAのオープンなコミュニティへの貢献


  DeNAでのぼくの役割は、いま話したモバゲーのなかのプラットフォーム開発だけじゃなくて、内向きの全社を見た顔、外向きの顔、と3つあるとおもってます。内向きというのはナレッジの共有だとか底上げだとかいう話で、外向きはDeNAの技術力を対外的にアピールすることですね。
  ナレッジの共有や底上げには入社してずっと興味をもってますし、やっていかなきゃいけないとおもってます。いま「ガルーン(外部リンク)」の掲示板機能を使って、気づいたことを何でもいいから書き込んで、情報がいったん取っ散らかるぐらいの勢いでかまわないから、どんどん投下しようってことを進めています。
  これまでも問題ドリブンで、何か起きたときに解決策を探して一致団結することはあったとおもうんですけど、常日頃、問題が起こる前に備えておこうっていう動きが、今までできていなかった。そういう議論ができる場所を提供することによって、少しずつ芽生えてきたのかなとおもいますね。変化を実感してます。
  一方で、コミュニティへの発信はまだ少ないですね。やっぱり今までDeNAで使っている技術がなんだっていうのは聞こえてこなかったですもん。我々は規模も規模だし、オープンソースを利用してビジネスをやっている身として、そこで得た技術を逆にコミュニティに還元していきたい。
  これまではそういう場所で「こういう工夫をしてみたよ」と発表するひとがいなかっただけで、DeNAはちゃんと技術力があるんだから、どんどん外に出していきたいですね。「もうずっとDeNAのターン」みたいなところまで。

会社と従業員の間柄は恋愛関係?


 オープン化したこと自体は、当然といえば当然みたいなところもあるんです。「モバゲーもOpenSocialやるんでしょ?」みたいなことは前々から言われてたし、まだ当たり前のことを当たり前にやっただけです。せっかくDeNAにはこんなにサービスあるんだから、プラットフォームを中心として、潜在能力を最大化したいですね。
 今はまず、モバゲーがプラットフォームとして成長していくことが、いちばん大事です。今は日本のプラットフォーム市場が戦国時代なんですよ。DeNAにせよ、mixiにせよ、GREEにせよ、Facebookにせよ。その中で他社がビックリするようなものをどんどん出していきたい。「あーそれやってくんのかー」みたいな。
   システムってもっともっと変えていかなきゃいけないし、効率よくしなきゃいけない。なにしろ自分が楽しみたいってのもある。いちおうエンジニアなんで、新しい技術要素を取り入れていかないと退屈してしまうし、試すにはうってつけの環境だとおもうんです。だから躊躇せず、もちろん検証したうえで、取り入れていこうとおもってます。
 Perl界隈では、去年の夏から「イベントモデルの非同期化」みたいなことが流行ってるんですけど、それもどんどん取り入れていきたい。いずれDeNAでも適用できる実装や枠組みも出てくるので、そういう兆候を見逃さず、やれると思ったときにササッとやれるレベルで、コードベースのメンテナンス性を維持していきたいですね。
 ぼくは代表取締役社長の守安にも言ってるんですが、DeNAが楽しいネタを提供してくれる限りはDeNAにいます。会社とそこで働く従業員って恋人みたいなものだとおもうんです。お互いに良い関係であり続けなきゃいけないし、そうなるよう努力しなきゃいけない。
 だけど恋愛も水ものなので、不一致が生じることもありますよね。そうなったらあまり躊躇しないとおもいます。でも今のところは、ネタに尽きることはなさそうですね。